
入社したのは良いけど、利用者さんに好かれる話し方とかわかんないぞ…
やたらハイテンションで大声が良いのかと思ったら、意外とそうでもない先輩も多いし…
耳が遠い利用者さんや認知症の利用者さんに先輩方も苦戦しているようだし、「普通に話しかければ良い」って言われても…
というわけでこんにちは、かねまるです!
入職時はいまいち利用者さんとのコミュニケーションの仕方がわからなかったですね〜。
でも5年も介護職をやってると、利用者さんとの会話もすっかり慣れました。
今回は、利用者さんに合わせたコミュニケーションの取り方について解説します。
これからお伝えする方法でコミュニケーションをとれば、利用者さんと信頼関係を結べます。
その方法はこの通り
- 目線の高さを合わせる
- 声のトーンと速さを低め、遅めにする
- オウム返しとたまにする質問
最初のうちから小難しい技法を、しかもその内容を全部やるなんて正直難しいと思います。
上記の簡単な技法をもとに、利用者さんに真摯に向き合うことが最も大切です。
それでは、解説していきます。
利用者さんに合わせた3つのコミュニケーション
目線の高さを合わせる

目線の高さが合っていることによって、共感性や親近感が高まります。
よく学校の先生がわざわざしゃがんで子どもたちと話したりしますよね。
上から怒鳴りつけても聞かない子たちもいますが、こうすることによって相手が聞く姿勢になります。
そして同じ目線で話をしてくれることに共感を覚えるわけですね。
一応、技法としてはミラーリングが該当します。
利用者さんと目線の高さを合わせ、その方が表情や動作を豊かに表現を行うなら、介護職員もできるだけ同じように、表情や動作を豊かにして、表現を返すなどがミラーリングにあたります。
介護におけるコミュニケーション、基本とコツを知り現場で活用|介護がもっとたのしくなるサイト|かいごGarden https://www.tsukui-staff.net/kaigo-garden/howto/148/2/
本来は姿勢や表情などを反映させることによって、共感性を高める技法です。
もちろん全部できるに越したことはないのですが、とりあえず目線の高さだけでも合わせてみて下さい。
相手が椅子に座っているなら、片膝ついて横から話しかけるだけでも良いです。
それだけでも共感性が上がります。
声のトーンと速さを低め、遅めにする
声のトーンや速さを下げることによって、相手が聞き取りやすい会話になります。
たまにやたらと早口の人がいますが(というか私もそうですが)、何だか話が聞き取りづらくありません?
むしろ

あんた早口すぎ
って言われたことはありませんか?(というか私もそうですが)
高齢者の耳は加齢によって聴力が低下して
- 小さい音は聞こえにくい
- 大きい音は普通の音量で聞こえてたりする
- 早口の言葉は分かりづらくなる
といった特徴があります。
普通に言ったら聞こえないから、わざと大きい声で言ったら

んな大きい声で言わなくても聞こえるっ!!

小さい声は聞こえないし、どうしろというんだ…
といったことになります。
そこで声の大きさだけではなく、声のトーンや速さを聞こえやすいように調整します。
これがマッチングという技法になります。
マッチングとは、目に見えない部分で相手にいかに合わせることができるかというものです。
介護におけるコミュニケーション、基本とコツを知り現場で活用|介護がもっとたのしくなるサイト|かいごGarden https://www.tsukui-staff.net/kaigo-garden/howto/148/2/
声以外にもマッチングをかける要素はあるのですが、とりあえずは声をマッチングさせるのが一番簡単です。
基本的に利用者さんは高い音や早口が認識しにくくなるので、声のトーンや速さを下げましょうってことですね。
オウム返しとたまにする質問
オウム返しをすることによって、私の話を理解しているんだなと感じてもらうことが出来ます。

私はカレーが食べたいんだよ、カレーが!!!

〇〇さんはカレーを食べたいんですね。

(私の希望をわかってくれたな)
福神漬もつけておくれ。

(お、希望が伝わってるから怒りが下がったな)
福神漬もつけてほしいんですね。
とまあ、こんな感じです。
こんなにカレーと福神漬に執着した利用者さんをデイで見たことはないですけどね。
これはバックトラッキングという技法です。
相手に言葉を返しながら進めることで、「私はあなたの言葉をしっかりと聞いている」という意図を、相手に伝えることができます。
介護におけるコミュニケーション、基本とコツを知り現場で活用|介護がもっとたのしくなるサイト|かいごGarden https://www.tsukui-staff.net/kaigo-garden/howto/148/2/
クレーム対処にも使われるこの技法、実は繰り返しすぎると逆に信用をなくすことがあります。
そりゃ、ずっとオウム返しされたら

(こいつは私の話を真面目に聞いているのか?)
ってなりますよね。
そこでたまに質問を付け加えます。

福神漬もつけてほしいんですね。
らっきょはどうしますか?
なんで自分でもこんなにカレーの話ばっかしてるのか…
まぁ、こうすることによって話を聞いている→話を理解しているになります。
ただ、クレーム中の質問は的はずれなことを言うとお怒りが増すので、そういうときは会話の様子で怒りが落ち着いてきたと感じたときにして下さい。
最初はこの3つのコミュニケーションで充分な理由
私は新人の頃はこれが出来ていれば、コミュニケーションは充分だと思っています。
- コミュニケーション力は実践した期間が大事、最初から全部出来るわけがない
- ミラーリングを全部は認識しきれない
- 他の技法は上記を徹底すれば充分だから
まず表情の機微とか手の仕草を会話中に真似るとか、出来るわけがありません。
私は小売と接客業で10年ほどコミュニケーション経験があったので割とすぐ馴染みましたが、新人さんが最初からやろうと思っても難しいはずです。
コミュニケーションはどうしても経験値がものを言うジャンルです。
ただ、ちゃんと実践を続ければ確実に誰でも身につくスキルでもあります。

ちなみに利用者さんは加齢に伴った視野狭窄や加齢性難聴といった要素から、こちらのミラーリングをすべては認識できません。
あと、がっつり円背の利用者さんの姿勢をミラーリングしたとしても、喧嘩を売ってるだけな気がします。
マッチングやバックトラッキングは上記のことを徹底していれば、充分話を聞こうとしていることが伝わるはずです。
そう、大事なのは
目線を合わせ、聞こえやすい声で、話を理解しようとしてあげる
ちゃんと話を聞こうとするってことをすれば、それは最大級のコミュニケーションなんです。
まとめ
- 目線の高さを合わせる
- 声のトーンと速さを低め、遅めにする
- オウム返しとたまにする質問
- コミュニケーションは実践を繰り返せば必ず身につく
- スキルは勝手に身につくから、利用者さんに真摯に向き合って

何だか最後は精神論みたいになりましたが、本当にコミュニケーションの心配は時間で克服できます。
一応紹介すると、今回のミラーリング、マッチング、バックトラッキングは合わせてラポール法と言われています。
利用者さんと信頼を築くための技法ですね。
でも!それよりも利用者さんに真摯に向き合うことが大切ですよ!
なんだかカレーの話ばっかした気がする…
ではまた!
コメント