
車から降りる時、なんで私を最後にしたんだ!!
健常な私を待たせる理由がないだろう!!!
うすらとんかちの婆さんを先に降ろすんじゃない!!!!
こんなクレーム対処をつい先日しました。
やっぱり理不尽なお怒りって嫌ですよね…
というわけでこんにちは、かねまるです!
今日はこういったクレームの対処方法について解説します。
携帯電話販売代理店に勤めていたときもクレームはよくありました。
5年間クレーム対処をしてきた経験は、デイサービスでもしっかり活かせています。
この記事をご確認頂ければ、
- クレームを対処する4つの手順
- 実際のクレームの対応イメージ
上記二点がわかるようになります!

上手く対応して笑顔になった相手を見ると、
「話を聞いてよかったなぁ」
と嬉しい気持ちになりますよ!
コツは『理解したということを理解してもらう』です!
まずはクレーム対処手順から見ていきましょう!
クレームを対処する4つの手順
私はおおよそこの手順でクレーム対処をしています。
- 本質をついたオウム返しをする
- 『怒りの向き』を理解する
- 立場の明確化
- 怒りを10%ずつ削りとる
一つずつ説明していきます。
本質をついたオウム返しをする
通称『バックトラッキング』と言われるこの手法。
返答をオウム返しで行うというものです。

いやぁ、さっきのカレー美味しかったよ。

カレーが美味しかったんですね。
本来はこのような使い方をします。
『あなたの話をちゃんと聞いてますよ〜』
ということを相手に伝えることが目的です。
ただし、クレーム対処の場合は少し捻る必要があります。
先程の例で考えましょう。

車から降りる時、なんであいつは私を最後にしたんだ!!
健常な私を待たせる理由がないだろう!!!
うすらとんかちの婆さんを先に降ろすんじゃない!!!!

最後にしましたね。
待たせる理由はないですね。
〇〇さんを先に降ろしましたね。
…うん、むっちゃ喧嘩売ってますね。
『相手が思っている嫌な事実』だけを反復しているのが原因です。
大体このあと、「わかってるならやるな!」と火に油を注ぐことになります。
こういった時の返答の仕方は
- 適度なうなずき、相づち
- 本質をついたオウム返し
が必要になります。

はい…はい…
〇〇さんを先に降ろしてしまって、お待ちいただいたことが嫌だったんですね。
といった形になります。
- 〇〇さんを先に降ろしたのが嫌だった
- 待たされたことが嫌だった
どちらにしろ『嫌だった』という感情が根本にありそうです。
相づちなどで相手が何に怒っているかを理解し、オウム返しの際に本質をつく。
これによって通常のバックトラッキングと同じように、理解していることを理解してもらうことが可能となります。
注意点
本質が不確定な状態でのオウム返しは危険です。

最後まで待たされましたもんね。
本当は一番に降りるのが好きなんですよね。

誰が一番に降りたいなんて言った!!
君は私の話を聞いているのか!?
って感じになること請け合いです。
話をしっかりと聞いて、相手が本質的に何を言おうとしているのかを理解しましょう。
バックトラッキングについてはこちらの記事もご参照下さい。
『怒りの向き』を理解する
相手がどんな感情でクレームを言っているのかは見えてきました。
次は相手の怒りがどこに向いているのかを理解しましょう。
今回の場合、本人以外の登場人物は三名います。
- 話を聞いている『私』
- 降りるのが遅くなる原因となった(と思われている)『うすらとんかちの婆さん』
- 降ろす順番を適切にしなかった(と思われている)『あいつ(職員)』
これ以外にも、『会社の在り方』や『降ろす順番の仕組み』などにお怒りのときもあります。
怒りは人だけに向くわけではないっていうことですね。
そして何に怒っているかによって、対応が変わります。
怒りの向き | 自分 | 自分が関わりのある グループ | 一切関係のない グループ |
責任の範囲 | 自分のみ | 共有責任 | 責任なし |
対応方法 | 受容と謝罪と 改善提案 | 1.謝罪と改善提案 2.受容と援助提案 | 受容と援助提案 |
簡潔に表にするとこうなります。
クレームに対処中の自分がどの立場にいるかによって、対応が変わりますね。
こういった点からも、相手の怒りがどこに向いているのかをはっきりと理解する必要があります。

車から降りる時、なんであいつは私を最後にしたんだ!!
健常な私を待たせる理由がないだろう!!!
うすらとんかちの婆さんを先に降ろすんじゃない!!!!
今回の場合は最初に『あいつ』と明言しているので、対象は『あいつ』と思って良いでしょう。
(稀にその順番で降ろすというシステムに対して怒る方もいらっしゃいますが)
今回の場合、自分は怒りの対象と同じグループに属しています。
こういった場合は
- お待ちいただいたのが嫌だったんですよね(受容)
- 待たせてしまい申し訳ありませんでした(謝罪)
- 今後は先に降りれるようにご案内します(改善提案)
- 先程の職員にも私からそうするよう伝えておきますね(援助提案)
といった対応が考えられます。
相手の発言などから適切な対応を選びましょう。
詳しくはこちらをご確認下さい。
立場の明確化
誰に、何を思ってお怒りなのかは段々と見えてきましたね。
ここで相手の立場をだんだんと明確にしていきます。
- 原因はどこにある
- 何が嫌だったか
- 今後どうしてほしいか
これを明確化していくのは、ちゃんと理由があります。
怒りによって判断力が失われ、他のことにまで怒りを放出することを避けるためです。
なんだか喧嘩をしているうちに更に腹が立ってきて、余計なことまで言ってしまったことはありませんか?
私はあります。
正常な判断力がなくなってくるって怖いですねー。
でも、怒りとはそういうものです。
なので相手自身に怒っている理由や要望を明確化してもらうわけです。

順番に降ろすのが手間取ってしまって、待たせてしまいましたね。(原因)
先に降りても問題ないのに、待たされたのは嫌でしたよね。(嫌だったこと)
今後は先に降りれるようにご案内しましょうか?(今後の対応の提案)

そうそう、そうして欲しいんだよ。
わかってるじゃないか。
このような流れで対応することにより、「そうそう、そうして欲しいんだよ」と要望や立場をしっかりと相互理解することが可能です。
怒りが飛び火しないようにしましょう。
怒りを10%ずつ削りとる
クレーム対処は根気がいります。
ほんっと、根気が必要です。
これは私のいままでのクレーム対処経験からですが、適切な回答をしたとしても一発で勝負が決まる(対応に納得してご理解いただく)ことはありません。
相手側の感情になってみれば当然といえば当然です。

私はこんなに憤慨しているのに、ちょっと話を聞いただけで納得がいくか!
っていう心境ですよね。
なので、根気よく話を聞く必要があります。
でも、終わりの見えないクレーム対処ほど怖いものはないですよね…
私は『怒りは10%削り』を心に決めて、対応するようにしています。
- 怒りは話していると20%下がる
- 適切な返答をすると10%下がる
- でも怒りが収まらなくて20%回復する
- 以下繰り返して10%ずつ削る
- 笑顔が見えてきたら最後のポイント!クローズに持ち込む
こういったイメージです。
間違っても短時間で勝負をかけようとしてはいけません。
少しずつ相手が納得するように会話を進めましょう。
全体の押し引きを上手く調整していく意識を持つと、解決への道筋が見えてきますよ。
実際のクレーム対応イメージ

車から降りる時、なんで私を最後にしたんだ!!
健常な私を待たせる理由がないだろう!!!
うすらとんかちの婆さんを先に降ろすんじゃない!!!!

はい…はい…
〇〇さんを先に降ろしてしまって、お待ちいただいたことが嫌だったんですね。

そうだ!
あいつはなんで私を最後にしたんだ!!

雨に濡れないように降りていただこうと思ったんです。
でも、先に降りていただくようにするという、配慮が足りませんでしたね。
申し訳ありませんでした。

別に君に怒っているじゃないんだよ。
傘をさして私を先に降ろすことも出来るだろう?

傘をさして反対側から先に降りていただくことも出来ますね。
先程の職員にも話しておきますので、次回その手順を試してみましょうか。

わがままを言って済まないね。
そうしてくれるかい。

わかりました。
〇〇さんが雨に濡れないように気をつけますね。
もしその手順で降りていただくことが難しいと思ったら、他の方法をまたご相談させて頂けますか?

構わないよ。
よろしく頼むね。
クレーム対応のイメージはこのような形になります。
本質をついたオウム返しで10%ずつ削り取り、途中で怒りの向きを意識しながら立場の明確化、クローズに相手が納得する改善提案を提供する。
相手のクレームの道筋に近づきながら、こちらからの注意点などもクローズ前にまとめられるとマストですね!
まとめ
- 理解したということを理解してもらう
- 複数の観点から相手の要望、立場を把握する
- 怒りを少しずつ削り取る
- その要望に対応可能な解決提案を行う

クレームはこちらが理解したことを理解してもらい、その内容にそって少しずつ怒りを削ぎ落としながら解決提案を行うことが重要です。
ただし、改善提案は可能なものだけを提案するようにしましょう!
やりますと言ってやれないのは一番マズイですからね。
ご精読ありがとうございました!
ではまた!
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